キャプティブのメリットとデメリットや設立方法とは?

【企業がキャプティブを採用する目的とは?】

キャプティブはROE向上や節税などの経営メリットから採用する企業もあれば

自社独自の自由な保障を設計出来ることからリスクマネジメントの目的で採用する企業もあります。

今回はキャプティブのメリットとデメリット、そして具体的な設立方法で代表的な3つの事例に絞って紹介します。

(キャプティブの基本的な概要に関してはこちら)

 

【キャプティブのメリット】

キャプティブは導入する企業が100あれば100通りの設計がありますので、何が典型的な型で何が珍しい型なのかはにわかには断じ難いのが実際のところです。

とはいうものの企業がキャプティブを採用することでのメリットは幾つかに集約できます。

キャプティブ設立のメリットは大まかに区分すると以下のとおりです。

 

①〈ROE向上〉

キャプティブを導入することでの大きなメリットは、今まで損害保険に支払っていた約半分の金額をキャプティブに留保できることです。

更にキャプティブからの国内親会社に向けての配当区分で資金還流を図ると95%が非課税で益金不算入にすることが出来ます。

ですのでキャプティブを設立することで営業活動をしなくても純粋に利益を上げることが出来ます。

上場企業であれば株主に対しての配当を上げることや、資本を効率化させROEを上ることを至上命題にしています。

キャプティブ設立によってROE向上に期待が出来るので、ROE向上を掲げている企業からは大注目されています。

 

実際に企業の多くがキャプティブを導入している背景として大きいのが、このROE向上で資金の多いトヨタ自動車、三菱商事、サンスター、日立製作所などの大企業もキャプティブを採用しているのにも頷けます。

(キャプティブを実際に採用している企業例はこちら【キャプティブという0.00004%の企業しか知らない節税スキームとは?】)

 

②〈自社独自のリスクマネジメントを設計することができる〉

リスクの形や規模は業界によって様々です。

例えば地震保険などは国内の損害保険会社では50%の補填が上限で50%は自費で補償をしなければいけません。

キャプティブを経由することで残りの50%の損害を補うこともスキームの設計次第で可能です。

 

企業には業界独自のリスクも存在しますが全て既存の損害保険でリスクを保証できるかと言われるとそうではありません。

導入する企業の補償の例に焦点を当てると

「製造業で製品リコールに備えて」

「物流会社で品物の破損に備えて」

「エンターテイメント業界で女優のアクシデントに備えて」

「食品企業で食中毒に備えて」と数多あります。

 

例えば芸能プロダクションだった場合には所属するタレントがスキャンダルによって生じる損害リスクもあります。

実際にアメリカのプロダクションでは所属タレントのスキャンダルリスクに備えた独自の補償をキャピタル経由で設計しているところもあります。

自社独自のリスクを補償してくれる海外保険会社を調達することで、国内では補償が出来なかったリスクに対しても自由なリスクマネジメントが可能になります。

キャプティブマーケットは日本人が知らないだけで世界基準では成熟産業でもあるので保障がトリッキーだとしても買い手を見つけることはそう難しくは無いようです。

リスクマネジメントの自由度の高さからキャプティブスキームを導入する企業も少なくありません。

 

③〈贈与や相続での活用〉

キャプティブの設計を柔軟に考えれば、享受出来るのは何も法人税の節税やROE向上という経営メリットだけではありません。

ほとんどのエージェントが上場企業や大企業向けにキャプティブを提案していますが、資産家や富裕層向けの相続や贈与にも活用することが出来ます。

贈与では非課税枠が年間110万円までしかありませんので、税金を意識すると資産家や富裕層の資産贈与にはチマチマと非効率に行うしか無いように思います。

キャプティブのスキームを少し応用すれば圧倒的な早さで生前贈与を実施することが出来ます。贈与での活用の一例としては上の図のオレンジ部分の様に、キャプティブは子会社ではなく自分の子供が社長の会社に設定します。

こうすることで親の法人から子の別法人に間接的に資産移転が出来ます。

相続対策では「海外での持株会社設立」や「キャプティブ経由で海外生保を購入する」など様々なスキームがあるので一概に説明することは出来ません。

各家庭でオーダーメイド方式になるので相続対策についても専門機関に問合わせた上で独自の設計を施すことが望ましいでしょう。

ただ贈与や相続でのキャプティブ活用は原則として親が法人を所有している(する予定である)ことが適用の条件です。

親が不動産オーナーの場合も法人化することで適用することが可能です。

キャプティブを活用することで法人でも個人でも様々なメリットを享受することが期待でき、資産家や富裕層であるほど期待できる効果は高くなります。

ただキャプティブのスキームは何度も言うように個々人や法人によって十人十色の設計内容です。

上記の例はあくまでも一例ですのでキャプティブ設立を検討される場合は情報収集から始ることが望ましいでしょう。

 

実際にはほとんどの会社経営者が①ROE向上と②リスクマネジメントの自由度の高さという経営メリットから導入を検討しています。

しかしスキームの設計内容次第で③贈与、相続対策でキャプティブを活用することも可能です。

知識の長けているエージェントは相続対策で情報提供を行っている様子です。

 

【キャプティブの代表的な3つの種類】

キャプティブについての情報が少ない中でキャプティブ採用を検討する企業から『キャプティブ設立の大まかな種類』と『幾らの企業規模から導入出来るのか?』ということは質問されたのでので分かる範囲でご紹介します。

キャプティブにはレンタキャピタルアソシエーションキャピタル共済プランなど実は設計の種類は数多あります。

 

今回は中でも代表的なキャプティブの設立方法の以下3つについて絞ってご紹介します。

①シングルペアレントキャプティブ

②マイクログループキャプティブ

③贈与や相続での活用

 

①〈シングルペアレントキャプティブ〉

まずシングルペアレントキャピタルとは一番ポピュラーなキャプティブスキームの代表例です。

通称は単独キャプティブとも呼ばれており、単数親組織キャプティブともいえます。

読んで字のごとく親会社が純粋子会社としてキャプティブを設立する法的組織です。

税務上のメリットもさる事ながらリスクマネジメントの種類も自由に設計出来るので大企業はこの単独キャプティブを導入しています。

 

単独キャプティブの基本は上図の様な動線になりますが実際には業界や企業によっては「直営店」、「フランチャイズ店舗」、「自社国内保険会社」などが設計内容に盛り込まれ細かな点は各社オーダーメイド式に異なってきます。

専門家と協議の上で自社メリットを最大化出来るように独自の設計に臨むことが大切です。

 

〈経営メリットから単独キャプティブを採用しているけど…実際には…〉

また、キャプティブ税法では1つの単独キャプティブで最大230万ドルまでを課税外対象としています。

230万ドルを超える分に関してはキャプティブを幾つか設立してメリットが最大化になる様に設計することが出来ます。

 

ただ、この節税メリットの観点から単独キャプティブを採用していても

実際には国税当局との親和性を図ることから、あえてキャプティブの数を絞り現地で法人税を支払っている場合も少なくない様です。

エージェントの手数料など設立コストもあるので、この単独キャプティブを設計するのであれば最低でも経常利益が2億円/年ほどあれば企業経営にメリットがある設計になる様です。

経常利益が2億円以下の多くの企業は次に紹介するマイクログループキャプティブを採用しています。

 

②〈マイクログループキャプティブ〉

マイクログループキャプティブは簡潔に述べるならキャプティブの小口化といえます。

単独キャプティブが一軒家だとするとマイクログループキャプティブはシェアハウスといったところでしょうか。

手数料や手間を考慮すると単独キャプティブで最大メリットを享受出来なさそうな場合は、この様に数社抱合せでキャプティブを設立する場合が多いです。

マイクログループキャプティブを組成する各企業で1社あたり経常利益が5,000万円/年ほどあれば総合的に考えて設立メリットを享受できるボーダーラインになりそうです。

ただ業界やキャプティブスキームの設計の仕方次第で設立メリットは変わってきますので、まずは専門の金融機関に設計内容を問合わせた上で検討することが望ましいでしょう。

 

③贈与や相続での活用

この点に関しては先ほど【キャプティブのメリット】で述べた通りです。

 

【キャプティブ設立のデメリットや注意点とは?】

スキーム自体は専門家と協議の上で設計すれば数多くのメリットを教授できるものです。

法人税の支払に悩んでいる経営者の方などは喉から手が出るようなスキームだと思います。

 

この記事を書いているわたくし(金山)はコンサル業をしておりまして以前にキャプティブ設立を検討したものです。

ですが、生憎わたくしの場合は経常利益が3000万円にも満たなかったのでマイクログループキャプティブの導入も出来なかったんですが、その際に問合わせた金融機関の方にキャプティブを導入する際の注意点を幾つか教えてもらったので紹介をしておきます。

 

(1)必ず金融機関に問い合わせをすること

キャプティブ設立の際のエージェントは金融機関登録をしているところから行うことが必須です。

それには明確な理由があります。

 

それは一般企業や個人事業で行っているところはデューデリジェンスを行っていないからです。

デューデリジェンスというのは金融機関が必ず行うもので、情報を顧客に届ける前に行う情報の実態調査のことです。

金融機関が費用を支払って調査会社に依頼して「情報発信した会社の信用」、「代表の実績」、「法的書面の整備状況」、「財務基盤」などあらゆることを調べます。

その調査結果をもとに顧客に届けるに値する情報なのか否かをふるいにかけます。

 

実際に金融機関ではないエージェントが提案するキャプティブスキームを経営メリットの面から採用して、蓋を開けてみると「タックスヘイブン対策税制」に引っかかって全くメリットを教授できずに訴訟にまで発展したケースが実際に業界内では起きています。

それは取り次ぎするエージェントの先のパートナーが基本的な要項を知らなかったために起きており、実態調査をしてさえいれば事前に防げたことです。

情報提供元の責任性を問うためにも金融機関ではないところに依頼するのは避けておいた方が良いでしょう。

 

(2)素人業者に注意

国内でキャプティブを提案しているエージェントは約20社あります。

そして先ほど述べましたが中には一般企業や個人事業でキャプティブの提案をしているところがあります。

 

ただキャプティブスキームには金融や保険、国際税務などの専門知識が必要です。

そのため一般企業や個人事業で行っているところだと、蓋を開けてみると素人同然の知識レベルで付け焼刃の対応をする業者もあるのが実態です。

そして手数料のメリットから多くのエージェントが大企業へのキャプティブ提案に血眼になっています。

中小企業や個人の相続にもキャプティブは活用が出来ますが設計内容にはエージェントの手腕が大きく左右されるところがあるので誰にキャプティブを依頼するのかは厳選しましょう。

 

どの業界においても共通して言えることですが誰からどんな情報を仕入れるのかというポイントは非常に重要だと言えるでしょう。

 

【運用や節税などの着手前には基本的な情報の理解が何よりも大切です】

運用や節税などの情報はちゃんと取扱いが出来れば経済を豊かにしてくれるものです。

とはいうものの

安易に「何だか良さそう」という単純な理由だけで始めてはいけません。

・情報の出処が確かなのか?

・リスクやデメリットは何なのか?

・どういう仕組みになっているのか?

などをきちんと理解することが大切です。

それらを理解せずに安易に着手して「こんなはずじゃなかった」という人は少なくありません。

これらの原因は「リスク許容度を間違えたり」、「詐欺に引っかかったり」、「提案者が実は深いレベルで内容理解していなかったり」挙げられる理由は様々です。

 

しかし根本的には良質な情報が少ないことが挙げられます。

要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解です。

金融や海外投資の業界で多くの人が登録して有名な情報ですが

運用や節税など幅広く基本的な情報を理解するのにするのに分かりやすく書いてくれてあるメルマガがあります。

許可を頂いたので以下に貼り付けをしておきますので着手される前に参考にしてみて下さい。

メルマガは当コミュニティが執筆したものではなく、第三者機関の金融機関が発行したものですが無料で良質な情報なので資産対策を検討をされる方には良いと思います。

【独立系金融機関が発行している推奨メルマガ】

 

【その案件は本当に大丈夫ですか?】

海外投資をする前に一度は利害関係のない詳しい第三者に客観的に状況を判断してもらった方が良いかと思います。

自身では気付かなかったリスクや落とし穴に気づくことが出来ると思います。

もしも近くに詳しい方がおられない場合は、当コミュニティにご相談・お問い合せ頂いても構いません。

ただ、投資経験者の有志によって構成されたコミュニティで全員本業があるため返信に時間がかかる場合もあります。

ご了承をお願いします。

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