クレディスイスのプライベートバンクサービスの特徴と実態とは?

日本国内で外資系プライベートバンクは4社。

UBS、クレディスイス、ロンバーオーディエ、ジュリアスベアです。

その中でもUBSとクレディスイスの2行は国内の資産家の間で知名度が高く預入資産残高も突出しています。

今回はクレディスイスのウェルスマネジメント事業部(プライベートバンク)についてご紹介します。

 

〈クレディスイスの歴史〉

クレディスイスは企業家で政治家でもあったアルフレッド・エッシャー氏によって1856年にチューリッヒで設立されました。

日本国内でプライベートバンキング事業に携わったことがあるものの一度撤退しました。

再参入して日本市場に根を張り始めたのは2009年からです。

2012年にはHSBC(香港上海銀行)のプライベートバンキング事業が日本のマーケットから撤退することで、事業の買収を完了させ東京、大阪、名古屋にオフィスを開設しました。

 

〈クレディスイスの会社情報〉

クレディスイスは2015年の時は687.3億ドルの運用資産残高を誇り世界4位のプライベートバンクでした。

時間の経過で多少の順位の変動はあるものの日本国内では知名度の高い外資系プライベートバンクです。

世界約50カ国550拠点を有し、自社でインベストメント・バンキング(投資銀行)部門やアセットマネジメント(資産運用)部門も持っています。

UBSと同様に大手金融機関として日本国内の資産家からも知名度は高く口座開設者も珍しくありません。

中でもプライベートバンキング事業が中核事業でクレディスイスのグループ全体の従業員数や利益の半分をプライベートバンキング部門が占めています。

クレディスイスで口座開設をするには最低預入資産残高が10億円必要です。

従業員数は46,640人。

格付け:ムーディーズA1

スタンダード&プアーズA

フィッチA

 

〈クレディスイスの特徴〉

クレディスイスは先進国を筆頭に世界各地に拠点があります。

そしてグローバルな規模メリットから蓄積された運用ノウハウに強みがあります。

中でも自社で多数保有する仕組債に強みを持っています。

 

投資銀行や資産運用部門が自社グループ内にあることから、自社内で様々な指数を作り出すことをクレディスイスは得意としており仕組債もオルタナティブ指数に連動した動きがある商品であり看板商品でプロの投資家にも人気があります。

ただ、仕組債は期待リターンが大きくても下落リスクも高い側面があります。

金融商品の提案に対して妄信的に信用して購入してはいけません。

プライベートバンク担当者が顧客のポートフォリオを見ながらリスク許容度を測った結論として商品を提案してきたかどうかを見極めてから投資する様にして下さい。

 

クレディスイスは顧客へのヒヤリングに関して以下の様に述べています。

「自社の商品に限らずお客様に最も適した金融商品を世界中から探してきます。具体的な金融商品の運用のご提案に至るまで数ヶ月の間、幾度となる打ち合わせを行うことがあります。」とコメント。

とはいえクレディスイスのビジネスモデルはブローカーレッジモデル(販売手数料ビジネス)なので事業収益を出すには金融商品を販売しなければいけません。

このことはクレディスイスに限った事ではありませんがプライベートバンク事業部の利益を優先するあまり、顧客の意思やリスク許容度を無視した金融商品の提案が度々トラブルになっていますので商品を購入するにも資産家側の注意が必要です。

 

また、他社プライベートバンクは一任勘定の運用依頼は富裕層専用ラップ口座のSMA(株式や債券で運用)を通じてからでないと行えないのに対して、クレディスイスは顧客との契約形態で投資一任サービスを行っています。(他に契約形態で運用一任サービスを行えるのはUBS、ロンバーオーディエのみ)

他にも不動産担保ローンを扱っており不動産投資にも積極的にサポートしています。

(SMAに関しては別記事【プライベートバンク専用のラップ口座SMAの実態とは?】)

 

〈伝統的プライベートバンクからはクレディスイスに辛辣な意見も…〉

一方で伝統的プライベートバンクのノイエヘルベディシュ(Neue Helvetische Bank)のトーマス・デラ・カサ氏から辛辣なコメントもあります。

(因みにノイエヘルベディシュは2012年創業の比較的新しいプライベートバンクですが、プライベートバンク業界にかつての伝統やプライドがなくなってきたことを鑑みてUBS元CEOなどにより創立されました。

歴史は浅いですがもともとのプライベートバンクのDNAが刻まれているとして、伝統的プライベートバンクとして称させて頂きます。)

 

トーマス・デラ・カサ氏からは

「UBSやクレディスイスは伝統的なプライベートバンクとは完全に違うビジネスモデルで運営されている。

彼らはプライベートバンキングサービスを行っているが、事業規模や収益性を考えるとコア事業とはいえないのではないか。

スイス系金融機関と彼らは名乗ってはいるが決してスイスの銀行ではなく『スイスにも拠点があるグローバル銀行』と表現した方が適切だ。

自社で金融商品を組成して販売も行うという点においても資産家向けのビジネスアプローチは伝統的プライベートバンクとは一線を画したものだ」とコメントされています。

このコメントの真意として、プライベートバンクサービスを自社利益第一主義に則った事業として考えるのは本来のプライベートバンクの在り方とは違う、ということを示唆しています。

というのもノイエヘルベディシュの創設メンバーは大手金融機関のUBSの元CEOですので同じような経営戦略を採用するクレディスイスへのコメントは説得力があると共に生々しく感じます。

 

伝統的プライベートバンクというものはバンカー自身も資産家で自社の運用において適正な収益を得ており、情熱を持って顧客の利益第一に貢献し一族と代を跨いで高品質なサービスを提供し付き合っていくものという哲学を持っているので、UBSやクレディスイスの商業的なプライベートバンク事業の展開にはアレルギー反応を示します。

 

実際にクレディスイスは四半期ごとに収益を一般公表しており利益への関心はクレディスイスとしても薄くはない様子。

因みにプライベートバンクの本場スイスではUBSやクレディスイスなどの大銀行はプライベートバンクとしては認知されていない様です。

スイスにおいてはプライベートバンクのステータスは非常に高く、スイスの全ての銀行が加入するスイス銀行協会の会長職はクレディスイスやUBSからは就けずプライベートバンク専業のボルディエ、ロンバーオーディエ、ミラボー、ピクテの持ち回りになっているのが実態です。

 

自社内で金融商品を組成して販売も行うということは顧客とプライベートバンクの利益相反にあるとスイスの伝統的プライベートバンカーの間では長年議論されています。

時代の潮流からか自社利益を第一にしてヘッジファンドや仕組債などの金融商品の販売をすることを目的にするプライベートバンクが増えてきたとも言われます。

「セールスが主体となるのであればプライベートバンクではなく銀行でもない、運用会社である」という伝統的プライベートバンクから風当たりが強いコメントもあります。

これは企業の経営戦略の要因もありますが、国内のほとんどのプライベートバンクの手数料モデルがブローカーレッジモデル(販売手数料モデル)になっているという風潮も大きな要因です。

私も「プライベートバンクからの営業攻勢には辟易したよ」とかつての金融機関在籍時に顧客だった資産家の方が話していたのが印象に残っています。

 

以上がクレディスイスのウェルスマネジメント部についての特徴です。

海外勢プライベートバンクからは、金融商品をセールスする大手プライベートバンクへの姿勢に対し「プライベートバンクとしての在り方に反する」との声がありますが、一方で証券会社や投資銀行をグループに持つクレディスイスの運用ノウハウにはやはり目を見張るものがあります。

実際に日系のプライベートバンクと比較しても外資系プライベートバンクの資産運用においてのノウハウには強みがあるのは確かです。

 

海外勢のプライベートバンクからは日本進出したクレディスイスに対しては辛辣な意見がありますが、個人的には日本において「資産を守る」というニーズに対しては、海外勢に比べ日本に進出し税務や法務に対応しようとする姿勢を見せるクレディスイスの方が守りの面での対応力としては一枚も二枚も上手でしょう。

というのも日本は先進国の中でも突出して資産家に対する税金の負荷が大きく、更に税務も法務も複雑な上に頻繁に変わります。

国内に居を置く大手外資系プライベートバンクとて日本の商習慣や文化、法対応に自社の生き残りをかけて必死の状態です。

(実際にHSBCやシティバンクのプライベートバックは日本市場から撤退しました)

正直、海外に居を置く伝統的プライベートバンクからは日本の富裕層の「資産を守る」という守りの点に関しては全くゲームのルールが違うので対応が難しいというのが実態です。

 

〈資産保全で注目されているキャプティブスキーム〉

2000年代に入る前、一昔前であればスイスプライベートバンクの情報守秘性神話がまだ健在していましたので口座開設しても資産防衛という点において何とかやり過ごすことが出来たかもしれません。

しかし2009年にアメリカ司法当局がUBSに対して口座開設者のリスト開示と罰金請求によりUBSがその要件を飲んだ事件も起こり時間を経るごとに情報の透明化が進み、その環境も整備されています。

実際に2018年9月からは各国の税務当局間で非居住者の金融口座情報については自動交換される様になりました。

日本ではプライベートバンクという言葉がまだ市民権を得ていませんが、過去の歴史を鑑みた上では、これからの国内のプライベートバンクに求められることは「運用ノウハウ(攻め)」と「柔軟な節税スキームの創出(守り)」の両輪が必要です。

守りの面において現在は投資用不動産を買って利益圧縮をするということが王道になっていますが、日本の不動産投資市況は世帯数の現象により家賃も下がり投資に見合わなくなっています。

プライベートバンクは担当者を中心として顧客をサポートする各専門家がチームを組織しています。

今後は各専門家の情報を融和させて新たな節税スキームを創出するなどの手腕が求められます。

 

2017年からはキャプティブというスキームが注目を浴びています。

トヨタ自動車やヤフーなどの大企業経営者しか知らなかったスキームですが2017年にアメリカの税制変更を皮切りに中小企業の経営者にもその情報が届くようになりました。

法人税の節税のみならず相続や贈与にも大きな効果を期待できるとして関心が寄せられています。

ただキャプティブは税務知識として国際税務や保険業など包括的な知識を必要とするため提案できるエージェントが非常に少ないのが実態です。

情報は少ないですが知識として頭に入れておいて損はない情報でしょう。

(キャプティブに関しての概要は【キャプティブを使った節税スキームとは?】)

 

【運用や節税などの着手前には基本的な情報の理解が何よりも大切です】

運用や節税などの情報はちゃんと取扱いが出来れば経済を豊かにしてくれるものです。

とはいうものの

安易に「何だか良さそう」という単純な理由だけで始めてはいけません。

・情報の出処が確かなのか?

・リスクやデメリットは何なのか?

・どういう仕組みになっているのか?

などをきちんと理解することが大切です。

それらを理解せずに安易に着手して「こんなはずじゃなかった」という人は少なくありません。

これらの原因は「リスク許容度を間違えたり」、「詐欺に引っかかったり」、「提案者が実は深いレベルで内容理解していなかったり」挙げられる理由は様々です。

しかし根本的には良質な情報が少ないことが挙げられます。

要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解です。

金融や海外投資の業界で多くの人が登録して有名な情報ですが

運用や節税など幅広く基本的な情報を理解するのにするのに分かりやすく書いてくれてあるメルマガがあります。

許可を頂いたので以下に貼り付けをしておきますので着手される前に参考にしてみて下さい。

メルマガは当コミュニティが執筆したものではなく、第三者機関の金融機関が発行したものですが無料で良質な情報なので資産対策を検討をされる方には良いと思います。

【独立系金融機関が発行している推奨メルマガ】

 

【その案件は本当に大丈夫ですか?】

海外投資をする前に一度は利害関係のない詳しい第三者に客観的に状況を判断してもらった方が良いかと思います。

自身では気付かなかったリスクや落とし穴に気づくことが出来ると思います。

もしも近くに詳しい方がおられない場合は、当コミュニティにご相談・お問い合せ頂いても構いません。

ただ、投資経験者の有志によって構成されたコミュニティで全員本業があるため返信に時間がかかる場合もあります。

ご了承をお願いします。

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