プライベートバンクの手数料モデルから生じる歪みとは?

プライベートバンクが「お金の執事」として一緒に歩んでいけるパートナーになるか否かを判断するのに手数料モデルは重要です。

各社のビジネスモデルの中にプライベートバンクの在り方としての姿勢が現れていると思います。

 

手数料モデルは大きく分けると2つ。

一つは金融商品の売買の都度、仲介手数料が発生するブローカーレッジモデル

もう一つは預かり資産残高に対して何%など手数料割合を設定するフィーモデルです。

 

〈国内のプライベートバンクに多いブローカーレッジモデル〉

これは金融商品の売買をした際に生じる仲介手数料です。

日系や米系であるプライベートバンクほとんどがこの仲介手数料モデルを採用しています。

日本国内でプライベートバンキングなど資産家向けサービスを提供しているのは多くが証券会社系や銀行系の金融機関です。

彼らの収益源は金融商品を取引した都度生じる売買手数料です。

国内の金融機関はどこもセールス気質が強く、営業に力を入れています。

 

投資家に対して素性のよく知らない金融商品を言葉巧みに売りつけて「後は知りません、自己責任で」という金融機関の態度に疑問を感じている方も少なくありません。

セールス力が評価される狩猟的な手数料モデルを資産家向けサービスにも適用すると「資産を守りたい」という資産化のニーズに対して利益相反になりやすいのが実態です。

実際にプライベートバンキングのサービス利用者が営業攻勢をかけられたことで、某証券会社にクレームが入るというケースも相次いでいます。

 

更に日系のプライベートバンクは海外勢に比べても売買手数料は割高に設定されています。

例えば50億円の株式の売買に応じて海外勢は資産額に応じ0.1%以下の手数料もザラにある中で、日系プライベートバンクは一律0.5~1.5%の手数料となっています。

外資系や海外勢も日本の富裕層に対してプライベートバンクサービスを拡張している中で、本格的に海外勢と業務で競い合うのであれば割高な手数料モデルにメスを入れないと今後太刀打ち出来なくなるでしょう。

 

とはいうものの海外勢や外資系と比較して日系のプライベートバンクの事業支援サービスや相続、事業承継などの節税スキームには評価をしている方も少なからず存在し、サービスを受ける対価として株式や仕組債を都度購入するといった活用方法をしている資産家もおられます。

 

また、プライベートバンクとは資産ポートフォリオを相談することも当たり前で、懐状況を開示するにはかなりの信頼関係を築くことが大切です。

そのなかでブローカーレッジモデルを採用している金融機関はどこか隅に置けないビジネスライクな印象を感じます。

UBSなど外資系プライベートバンクも日本の商習慣に習ってブローカーレッジモデルを採用しています。

国内に拠点があるプライベートバンクの多くがこのブローカーレッジモデルです。

ただ2017年は〈プライベート改革元年〉と呼ばれ、このブローカーレッジモデルのビジネスモデルにメスを入れる金融機関が現れ出しました。

実際にクレディ・スイスは投資信託の販売による手数料制度を撤廃しました。

以降は顧客が理想とするポートフォリオ構築へ話し合いを重ねて、他社が組成した商品も組み入れながら効果的な方法と取る方針にしています。

この社内手数料制度改革によって2017年度は前年度に比べてクレディ・スイスは6倍も預かり資産残高が伸びた様子です。

金融業界内のブローカーレッジモデルによるビジネスモデルは変革中といえるでしょう。

 

【海外勢や一部のプライベートバンクが採用しているフィーモデル】

フィーモデルは預かり資産金額に対して数%という様に手数料率を設定するビジネスモデルです。

スイスにある老舗プライベートバンクや国内でもごく一部のプライベートバンクなどを中心にフィーモデルを採用しています。

フィーモデルは顧客と利益相反になりにくいため、このビジネスモデルを採用しているプライベートバンクに信頼を寄せる資産家が多いです。

もともとプライベートバンクとは銀行家自身も資産家であり、自身の運用で適正な収益を確保しているために利益追求や商品の営業をする必要がありません。

より良い関係を長く築きながら悩み事に対して共に向き合い解決していく、という業務姿勢が手数料モデルにも表れていると感じます。

 

他にも選択性の手数料モデルもあります。

主に海外など外資系のプライベートバンクが採用しているモデルです。

基本的には海外勢は資産を一任勘定して預けるアセットマネジメントフィーモデルを採用しますが、一任勘定にしない場合は別途手数料が発生します。

 

〈アセットマネジメントフィー〉

資産を一任勘定で預かり運用をする場合にかかる手数料です。

1.5%前後が相場になっています。

日本人の資産家の多くはアセットマネジメントフィーを支払いプライベートバンクに一任勘定を依頼するケースが多いです。

日本人富裕層が一任勘定を好む要因として金融リテラシーがアメリカやヨーロッパの海外の富裕層と比較して不足していることにあります。

手数料率としてはあまり安くはありませんが、何にいくら投資をしているのかバンカーはポートフォリオを明示してくれます。

またファンドなどの運用管理手数料なども顧客に報告したりとコストの透明性もあるという点は信頼がおけるといえるでしょう。

 

その他の選択性手数料に関して触れておきます。

 

〈カストディフィー〉

プライベートバンクを資産運用のプラットフォームとして利用して証券や債券を預ける際の保管料です。

預入資産に対して年間0.2%~0.3%ほどかかります。

超富裕層はカストディフィーだけを支払い、自身で運用したり運用者を雇用している人もいます。

 

〈アドバイザリーフィー〉

資産運用や保全、相続など必要に応じて個別に相談したりアドバイスを受けるための費用で手数料率は預入資産に対して年間0.6~1%ほどです。

他にも顧問契約を結んでいくらという具合に決めているケースもあります。

 

〈トランザクションフィー〉

株式や債券などの金融商品の売買に応じて必要な手数料です。

一任勘定を依頼すればかかりませんが、選択しない場合は別途必要になる手数料です。

 

手数料モデルに関しては利益相反になりにくく運用の真価が問われるフィーモデルが顧客にとっては嬉しいのは事実です。

そして実際に比較すると海外勢のプライベートバンクの方が運用能力においては分があります。

 

フィーモデルで運用に関しても有利に見える海外勢のプライベートバンクですが、一方で相続や資産承継で日本国内の複雑な税務や法務対応にかなり苦戦しているのも事実です。

日本は先進国の中でも住民税を含む所得税は最大55%と突出して高く、頻繁に法律も変わります。

海外で資産家向けサービスとしてファンを作ることは出来ても、日本国内においてはサッカーと野球ほど全く別のスポーツとしてどの外資系も海外勢も資産保全においては苦戦しているのが実態です。

 

【資産家の資産保全がカギ】

2000年に突入する以前ではスイスの持つ情報守秘性を武器に節税について細かなことを考えなかった富裕層が多かったのは事実です。

実際に国税庁から情報開示の要請があってもよほどの犯罪性がない限りは応じない、としており実際に日本人の個人名が開示されたケースもありません。

しかしOECD租税条約で情報開示は拒めない、と取決められており情報の透明性も時間を経るごとに高くなっています。

2018年9月からは国際的に非居住者の金融講座情報については各国の税務当局間で自動交換が行われるようになります。

いくらプライベートバンクといえども世界的な情報開示の波に抗うことはできず、守秘性神話も完全に崩壊しました。

 

これからの日本国内のプライベートバンクを含む資産家向けサービスは、柔軟なアイデアで堂々と節税スキームを作成出来るかどうかが重要な鍵になります。

2017年からはキャプティブというスキームが国内の会社経営者に大変注目されています。

資産贈与や相続、法人税節税などの効果が期待でき、実際にトヨタや三菱商事などの大企業が採用しているスキームです。

ただキャプティブは保険や国際税務などの包括的かつ深い知識が求められるので提案できるバンカーが少ないのが現状ですが採用することが出来れば目的成就しやすくなるでしょう。

(キャプティブに関しては別記事→【キャプティブを使った節税スキームとは?】)

資産家や富裕層であれば情報収集しておいて損はない情報だと思います。

資産家の節税に対する悩みは尽きることはありません。

 

【運用や節税などの着手前には基本的な情報の理解が何よりも大切です】

運用や節税などの情報はちゃんと取扱いが出来れば経済を豊かにしてくれるものです。

とはいうものの

安易に「何だか良さそう」という単純な理由だけで始めてはいけません。

・情報の出処が確かなのか?

・リスクやデメリットは何なのか?

・どういう仕組みになっているのか?

などをきちんと理解することが大切です。

それらを理解せずに安易に着手して「こんなはずじゃなかった」という人は少なくありません。

これらの原因は「リスク許容度を間違えたり」、「詐欺に引っかかったり」、「提案者が実は深いレベルで内容理解していなかったり」挙げられる理由は様々です。

 

しかし根本的には良質な情報が少ないことが挙げられます。

要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解です。

 

金融や海外投資の業界で多くの人が登録して有名な情報ですが

運用や節税など幅広く基本的な情報を理解するのにするのに分かりやすく書いてくれてあるメルマガがあります。

許可を頂いたので以下に貼り付けをしておきますので着手される前に参考にしてみて下さい。

メルマガは当コミュニティが執筆したものではなく、第三者機関の金融機関が発行したものですが無料で良質な情報なので資産対策を検討をされる方には良いと思います。

登録者数に上限があるようなので情報を参考にするのであればお早めに

【独立系金融機関が発行している推奨メルマガ】

 

【その案件は本当に大丈夫ですか?】

海外投資をする前に一度は利害関係のない詳しい第三者に客観的に状況を判断してもらった方が良いかと思います。

自身では気付かなかったリスクや落とし穴に気づくことが出来ると思います。

もしも近くに詳しい方がおられない場合は、当コミュニティにご相談・お問い合せ頂いても構いません。

ただ、投資経験者の有志によって構成されたコミュニティで全員本業があるため返信に時間がかかる場合もあります。

ご了承をお願いします。

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