プライベートバンカーの知られざる人物像とは?

「プライベートバンカー」と聞くと「なんだか怪しい」というネガティブなイメージを抱く方がいる一方で「気品を感じる」というポジティブなイメージを抱く方もおり、人によって様々な感想を抱かれると思います。

印象が分かれる要因としては日本国内においてプライベートバンクというものが周知されていないことが背景としてあります。

プライベートバンクが提供するサービスに関しては他記事でも紹介していますが、今回はバンカー(担当者)の人物像に関して触れていきます。

 

〈スイスのプライベートバンカーの人物像〉

プライベートバンクの発祥は300年以上前に、出稼ぎが多く命の危険も大きかったスイスの傭兵の資産を管理するところから始まりました。

(プライベートバンクの歴史についての詳細は別記事【プライベートバンクの設立と歴史】)

そして時代が移っても当初の資産を管理する高貴なプライドは連綿と継承され、貴族の資産を管理することにも携わるようになりました。

スイスにおいてはプライベートバンク業を営むということは金融業界の中でも、とてもステータスの高いこととして認知されています。

実際にプライベートバンクの経営実態を知ることで、品格を漂わせている由縁を知ることが出来ます。

 

本場のプライベートバンクはパートナーシップ制度というものを採用しており、顧客に対して無限責任を取ることを前提として、その所有と経営に携わっています。

顧客に接する彼ら自身も資産家であり、自分の資産を運用しながら適度な収益を受け取り高度な金融ノウハウも持っています。

そして同じ属性である資産家の気持ちは汲み取るように理解することが出来ます。

 

日本国内のプライベートバンキング部門を擁する金融機関との大きな違いは、商品売上に対するノルマがないということです。

ビジネスモデルとしては預入資産残高に対する一定料率の手数料がメインであるため(フィーモデル)、日本の銀行の様に積極的な商品提案を必要としません。

月間ノルマや個人成績などによって提案内容が変化することはないので、顧客にとって本当にためになるサービスを提供する環境が整っています。

 

〈スイスのプライベートバンクの弱点〉

ただ本場のプライベートバンクにも弱点はあります。

あくまでも資産を管理して欲しい顧客は日本に住所のある日本人だということです。

 

日本に住所がある居住者においては当然ながら日本の税制が適用されます。

そして日本人富裕層ほど税金に対する意識度が高い国民はいません。

その理由はシンプルで「税金が高い」からに他なりません。

日本において所得税は住民税と合わせると最大で55%徴収され、相続税でも同じく最大で55%徴収されます。

加えて日本の税制や法務はとにかく複雑で頻繁に法改正が発生します。

本場のプライベートバンクとしては資産を守り運用するノウハウがあっても、プレイするフィールドがスイスと日本ではルールが全く違いますので日本人顧客に対する税金対策にはほぼ無頓着といっても過言ではありません。

 

〈海外プライベートバンク勢に求められる情報開示〉

今までは資産を守るという点に関してはスイスの伝統的でもある情報守秘性を武器にしていましたが、近年では金融の透明性が求められる風潮になっている中、通用しなくなりました。

(プライベートバンクの情報守秘性に関しては別記事【プライベートバンクの情報守秘性は信頼できるのか?】)

 

実際に「OECDモデル租税条約」も世界107の国と地域で締結されました。

この租税条約とは条約を締結している二国間において、情報提供の要請を受けた国は、例え銀行の守秘義務を定めていたとしても、それを理由に情報開示の協力を拒むことはできないというものです。

金融立国としての守秘義務を理由に租税条約締結を拒んでいた国や地域も、世界的な情報開示の流れに従わざるを得ず条約締結に踏み切りました。

 

この租税条約の締結に対してスイスのプライベートバンクのバウマン(Baumann&Cie)からは

「海外(日本)の国税庁から銀行にいくら開示請求があったとしても、絶対に対応することはありません。

それに都度応じてしまっていては金融立国としてのプライドが失墜してしまう。

開示するときはスイスの財政局からの開示請求、又は裁判所から令状が出た場合のみです。」

とコメントを残していますが安心し切ることもできません。

 

というのも日本と租税条約を締結している国や地域では、国税庁は現地の税務当局に依頼して、その税務当局を通じて金融機関などが保有する情報の公開を要請できることになっています。

いくら厳格な守秘義務がプライベートバンクに課せられているとはいえ、現地当局による情報提供の要請があればさすがに断ることは出来ないと思います。

 

他にも畳み掛けるようにして2016年から税務署に資産状況の概要を表すための書類である「財産債務明細書」から「財産債務調書」に変わりました。

これは預貯金や有価証券などの財産の種類や金額に加えて財産の所在、有価証券の銘柄を記載した調書を税務署に提出しなければいけないというものです。

 

また2018年9月から非居住者の金融口座の情報については各国の税務当局間で情報が自動交換される様になりオープンになります。

時間を経るごとにスイスへのプライベートバンクへの風当たりは更に勢いを増しています。

 

〈富裕層の資産を守るのに注目されているキャプティブ設立〉

今後は資産防衛をするには情報守秘性の盾で資産を守るということよりも、真っ向から税制に向き合って幅広く深い知識からいかに柔軟に節税スキームを組み立てられるかが非常に重要です。

2017年からはトヨタや花王などの大企業経営者が節税や相続贈与で採用しているキャプティブが中小企業でも認知される様になりました。

キャプティブスキームは相続や贈与、法人税設立などにおいては非常に効果が高いスキームということで大きな注目を浴びています。

しかしキャプティブを扱える金融機関は非常に限られています。

スキーム自体は大企業も長年導入していることから税制に対しての違法性もなく関心が寄せられていますが、保険業法や国際税務など包括的活かつ深い知識が必要なので提案できるエージェントが少なく、供給側の環境が整いきれていないのが実態です。

資産を守ることを念頭に置かれているのであれば情報収集しておいて損はないと思います。

(キャプティブに関しての概要に関しては別記事→【キャプティブを使った節税スキームとは?】)

 

〈日本国内のプライベートバンカーの人物像〉

2000年代に突入してからは急激に増えている国内の富裕層人口。

ハイクラス層の持つ不安や課題に向き合って豊かになっていこうとする場合、資産を守り・運用するために本場のプライベートバンクの様にお金のことに関して本当に信頼できるパートナーを持つことは重要です。

ただ、その役割として日本国内の各社プライベートバンク(外資系含め)が務まるかというと時期早々だといえるでしょう。

 

日本のプライベートバンカーは高学歴でエリート街道を進むことを期待された人材が配属されます。

彼らはバンカーという役割を通して富裕層が求める高度な要求に応えて金融知識や様々な知識を学ぶことができます。

しかし多くのバンカーはプライベートバンキング部門に配属された後、顧客に寄り添うバンカーとしての本来の在り方と個人成績の追求の間で葛藤に苛まれます。

 

〈国内のプライベートバンクのビジネスモデルが生む不協和音〉

そのバンカーの苦悩の理由としては日本の金融機関のビジネスモデルが発端です。

日本の金融機関のビジネスモデルは金融商品を販売することによって手数料が発生するブローカーレッジモデルと呼ばれるものです。

ブローカーレッジモデルではどうしても顧客との利益相反を招きやすく、自身の将来や事業部の利益に比重を置き過ぎたバンカーは実際に積極的な金融商品の販売攻勢からクレームになることも珍しくはありません。

中には商品価値としは提案するに値しないものでも決算時期が近い場合に手数料率が高いからという理由で積極提案されることもあります。

というのも管理職などに昇進をするためには金融商品の売上が数値化され審査されます。

異動後に栄転出来るか否かは成績次第という現実があります。

(プライベートバンクのビジネスモデルに関しては別記事【それぞれ違うプライベートバンクの手数料モデルについて】)

 

顧客側にとってはプライベートバンクという、読んで字のごとく私的銀行という目的で口座開設をしたにも関わらず、実際に蓋を開けると担当者は自社が売りたい金融商品を勧めてくるばかりという場合も少なくありません。

金融機関内部では商品知識の研鑽もありますが、ロールプレイングなどを用いて商品提案の仕方や切り返しトークといった営業話法の方がエネルギーを置いているという実態があります。

 

バンカーと顧客の間でせっかく信頼を作り上げていってもサービスの根本がセールスと分かってしまうと、少し残念な気がします。

ブローカーレッジモデルを採用している時点で日本国内のプライベートバンク業界は顧客の運用パフォーマンスを真の意味で上げる基盤が整ったとは言えないのではないかと感じます。

中にはフィーモデル(預入資産残高に対しての一定料率)を採用している独立金融機関のプライベートバンクもありますので、そういったところに口座開設をしたほうがバンカーと顧客との利益相反になりにくく、良い信頼関係が築きやすいでしょう。

 

〈プライベートバンク業務の本質から遠ざける国内企業の伝統的風習〉

また日本の企業では役職に就くためには様々な部署を経験させて人材育成を図ります。

しかし、その構造的な制度はプライベートバンク業務にはなかなかそぐわないのが実際のところです。

バンカーと顧客は強い信頼関係で結ばれて何代にも渡って資産承継やサポートをするのが本来のプライベートバンクとしての在り方だと思います。

頻繁に行われる人事異動に関しては「信頼関係をまた1から作り上げていかないといけない」と不満を漏らす顧客は少なくありません。

この頻繁な人事異動はプライベートバンク業務に本腰を入れていくのであれば是正すべき課題だと思います。

日本国内のプライベートバンク業界は本当の意味で富裕層の資産を管理して豊かになってもらうための環境が整備されたとは言いにくく抜本的な改革が必要な部分が多いと感じます。

 

これらの日本の金融機関のスタンダードを作っているのは大手です。

大手はどうしても構造的な課題などを多く抱えています。

個人的には資産家が信頼を置くパートナーとして大手金融機関は実力不足だと思います。

前述ではフィーモデルを採用した独立系金融機関もあると述べましたが、パートナー選びにも幾つか注意点があります。

担当者がどの程度の金融知識を持っているのか、人脈のネットワークなど包括的なサービスがどれほど対応出来るのかを見るのが大切だと思います。

 

【運用や節税などの着手前には基本的な情報の理解が何よりも大切です】

運用や節税などの情報はちゃんと取扱いが出来れば経済を豊かにしてくれるものです。

とはいうものの

安易に「何だか良さそう」という単純な理由だけで始めてはいけません。

・情報の出処が確かなのか?

・リスクやデメリットは何なのか?

・どういう仕組みになっているのか?

などをきちんと理解することが大切です。

それらを理解せずに安易に着手して「こんなはずじゃなかった」という人は少なくありません。

これらの原因は「リスク許容度を間違えたり」、「詐欺に引っかかったり」、「提案者が実は深いレベルで内容理解していなかったり」挙げられる理由は様々です。

 

しかし根本的には良質な情報が少ないことが挙げられます。

要らぬ失敗をしないためにも必要なことは良質な情報を取ること、基本の理解です。

 

金融や海外投資の業界で多くの人が登録して有名な情報ですが

運用や節税など幅広く基本的な情報を理解するのにするのに分かりやすく書いてくれてあるメルマガがあります。

許可を頂いたので以下に貼り付けをしておきますので着手される前に参考にしてみて下さい。

メルマガは当コミュニティが執筆したものではなく、第三者機関の金融機関が発行したものですが無料で良質な情報なので資産対策を検討をされる方には良いと思います。

登録者数に上限があるようなので情報を参考にするのであればお早めに

【独立系金融機関が発行している推奨メルマガ】

 

【その案件は本当に大丈夫ですか?】

海外投資をする前に一度は利害関係のない詳しい第三者に客観的に状況を判断してもらった方が良いかと思います。

自身では気付かなかったリスクや落とし穴に気づくことが出来ると思います。

もしも近くに詳しい方がおられない場合は、当コミュニティにご相談・お問い合せ頂いても構いません。

ただ、投資経験者の有志によって構成されたコミュニティで全員本業があるため返信に時間がかかる場合もあります。

ご了承をお願いします。

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